クレジットカードの基礎知識:一覧
決済手段
物やサービスを購入したあとの代金の支払方法である。
現金での支払い、クレジットカードを提示しサインすることによる預金口座からの自動引落し、郵便為替での送金、相手口座への直接振込みなど、さまざまな決済手段がある。
クレジットとは
「クレジット」とは、消費者が商品やサービスを購入するときの代金を、「クレジット会社が、消費者に代わって立替払いするしくみ」のことである。
たとえば、学生時代に、コンパの飲み代を支払うときに手持ちの資金が足りなくて、友人に立て替えてもらったという経験があるだろう。
その場合、あなたは友人に自分の飲み代を借りた(借金)ことになるし、友人からすれば飲み代を貸した(融資)ことになる。
つまり、それは友人同士の「信用」にもとづいたお金の貸し借り(資金の融通)ということになる。
クレジット会社は、この場合の友人と同じ役割を果たす。
クレジット会社と加盟店契約を結んでいる店で、あなたがショッピングや食事をした場合、あなたは現金の代わりにクレジットカードで代金を支払うことができる。
クレジットカードの利用は、本人に代わってクレジット会社が代金を立て替えて支払うという約束事の上に成り立っているしくみなのである。
もちろん、クレジット会社に立て替えてもらった代金は、後日、クレジット会社に返済しなければならないのは当然である。
ときどき、それを忘れる人がいるのは困ったものであるが。
クレジットは、お金の流れからみればクレジット会社に対する「借金」であり、時間の流れからみれば「返済の先延ばし」ということになる。
また、分割払いやリボルビング払いの場合には「返済の平準化」(一度に支払うのではなく少額ずつ分けて支払う)という機能を活用することができる。
クレジット産業の市場規模
クレジット産業の市場規模は、約74兆円(2001年12月末時点)である。
その内訳は、商品やサービスの購入に対するクレジットである「販売信用」が35兆5015億円、お金そのものを融資するローンやキャッシングなどの「消費者金融」が38兆5948億円となっている。
さらに細かくみていくと「クレジットカード(ショッピング)の1回払い(非割賦購入あっせん)」が、取扱高18兆1135億円、伸び率も対前年比7.6%増と、いずれもトップである。
取扱高では、金融機関が提供する「定期預金担保貸付」が11兆円余りで二番目だが、対前年比は8.6%の減少となっている。
伸び率では、「消費者ローン(消費者金融会社)」が対前年比6.5%増、「消費者ローン(クレジットカードキャッシング)」が6.4%増と続く。
この数値をみてもわかるように、現在のクレジット産業は、クレジットカードのショッピングとキャッシング、ならびに消費者金融会社の消費者ローンの成長に支えられている。
これに対して、カードを利用しない「個品(ショッピングクレジット)」分野は、すべて対前年比でマイナスを示している。
クレジット産業はカードショッピングが中心
前項でもみたように、クレジット産業を大きく分けると、モノやサービスを対象に立替払いを行なう「販売信用」業務と、小口の融資を行なう「消費者金融」業務の二つがある。
取扱高でみると、販売信用が約48%、消費者金融が約52%を占めている。
これを、具体的なクレジット商品ごとにみると「個品割賦(ショッピングクレジット)」は、パソコンや貴金属など個別の商品ごとに割賦契約を結ぶモノを対象にしたクレジットであるため販売信用業務になる。
また「クレジットカード」は、商品代金の決済を行なう場合は販売信用業務になるが、カードを利用したキャッシングは消費者金融業務ということになる。
「消費者ローン」は、消費者金融会社や信販会社が消費者個人に融資を行なうもので、これも消費者金融業務ということになる。
わが国のクレジット産業は、すでに70兆円を超える巨大市場となっているが、これを個別商品ごとの内訳でみると、販売信用業務の「クレジットカード(ショッピング)」が全体の31.4%を占める。
これに続くのが消費者金融業務の「担保ローン」で18.8%である。
以下、販売信用業務の「個品割賦」が16.5%、消費者金融業務の「消費者ローン(消費者金融会社)」が14.3%、消費者金融業務の「クレジットカード(キャッシング)」が10.1%となっている。
「販売信用」と「消費者金融」の違い
前項でも述べたように、クレジット産業の中心業務は「販売信用」と「消費者金融」という金融サービスの提供にある。
前者は、消費者が商品やサービスを購入する場合にクレジット会社が立替払いを行なうクレジット(ショッピングクレジットやカードショッピング)のことである。
後者は、消費者がカネを直接借りる場合のクレジット会社が行なう融資(キャッシングやローン)のことである。
では「販売信用」と「消費者金融」の最大の違いはなにか。
販売信用の場合には、消費者が商品やサービスの購入代金を直接手にすることはなく、クレジット会社から商品やサービスを販売しているお店に対して購入代金が支払われることになる。
一方、消費者金融の場合には、クレジット会社や銀行や借用金庫などの金融機関の店頭、およびCD(現金引出機)やATM(現金自動預払機)を通じて直接、消費者が現金を手にすることができる。
いずれの場合にも、クレジットを利用した消費者は、クレジット会社への返済の義務を負うことになる。
また、クレジット会社へ、利用形態に応じた手数料や金利を支払わなければならないことになる。
そして、消費者の返済が完了した時点で「クレジット」という商行為は無事に終了する。
クレジット販売のしくみ
クレジット販売は、単純に分割(割賦)払いであるというようなイメージがあるかもしれないが、実際には、その個別の形態によっていくつかに分けられる。
以下に、その基本的な形を紹介していこう。
@割賦販売または自社割賦
消費者が、デパートや専門店などから商品、あるいはサービスをクレジットで購入するときに、商品やサービスの提供者であるデパートや専門店が直接クレジット販売を行なうのが「割賦販売」という形態である。
要するに、デパートや専門店などの小売業者(販売会社)が自社で行なう「信用販売」である。
支払方法が分割払いならば「割賦販売」といい、分割払い以外のボーナス一括払いなどを「非割賦販売」という。
この場合、消費者はクレジットの返済を小売業者(販売会社)に対して行なうことになる。
顔なじみのお客様に対しての売掛販売(信用貸し)などもこれに相当する。
A自社カード販売
デパートや専門店などが「カード」を自社発行している場合がある。
このカードを利用して商品やサービスをクレジット販売する形態を、小売業者(販売会社)が行なう「自社カード販売」という。
自社カード販売にも、分割払いの割賦販売と一括払いの非割賦販売がある。
クレジットカードの発行者は、信販会社などのクレジット会社ではなく、あくまでも小売業者(販売会社)自身である。
したがって、クレジット返済は小売業者(販売会社)に対して行なう。
Bローン提携販売
新車や中古車をローンで購入するとき、自動車ディーラーが提携している銀行(金融機関)のローンを利用する。
このとき、購入者への融資実行に対しての保証を自動車ディーラーが行なう。
このような形態を「ローン提携販売」という。
融資が実行されると、提携銀行等から自動車(商品)の販売代金が小売業者(販売会社)に支払われる。
ローンの返済は銀行(金融機関)に対して行なう。
C割賦購入あっせん/個品割賦=ショッピングクレジット
電器専門店や宝石店などで、パソコンや指輪などの商品をクレジットで購入するときに、第三者である信販会社等のクレジット会社が提供(あっせん)する「ショッピングクレジット」を利用することがある。
こうした形態を「割賦購入あっせん」という。
商品の購入代金が信販会社等(クレジット会社)から小売業者(販売会社)に対して支払われ、消費者は信販会社等に対して返済を行なう。
オートバイやスキー用品の購入など、個別の商品を購入するたびに毎回個別のクレジットを申し込むことから、「個品割賦」あるいは「個品あっせん」とも呼ばれている。
D割賦購入あっせん/総合割賦=力ードショッピング
Cと同様だが、信販会社等が提供(あっせん)する「クレジットカード」を利用して、商品やサービスをクレジット購入する形態は「カードショッピング」という。
信販会社等(クレジット会社)から小売業者(販売会社)に対して商品購入代金が支払われ、消費者はクレジットの返済を信販会社等に対して行なう。
一度クレジットカードを作ってしまえば、ショッピングクレジットのように商品を購入するごとにクレジットの申込みをする必要がなく、サイン一つで総合的に利用できるところから、「総合割賦」あるいは「総合あっせん」とも呼ばれている。
E提携ローン
私たちが家を増改築するときなどは、リフォームローンなどを利用する。
こうしたローンのうち、信販会社等が提携している金融機関(生命保険会社等)のローンを利用する形態を取り、かつ、ローン(融資)実行に対しての保証を信販会社等が行なうものを「提携ローン販売」という。
融資が実行された場合、リフォーム(商品)代金は信販会社等のクレジット会社を経由して小売業者(住宅販売会社や工務店など)が消費者の代理で受領する。
そして、ローンの返済は信販会社等に対して行なわれる。
つまり提携ローンは、信販会社等が金融機関(生命保険会社等)の代理でローンの回収を行なうというものである。
以上のように、素人には複雑極まりないクレジットの形態は六つに分けられる。
だが、カネには色がなく見分けがつかないように、いざ小売業者(販売会社)の店頭でクレジットを利用するときに、それがどの形態であるかなどはあまり意識しないし、よくわからないのが普通である。
また、こうしたクレジットの形態にはもう一つ、次に述べる「消費者ローン」がある。
F消費者ローン/カードローン
「消費者ローン」とは、わたしたちがカネそのものを借りること、すなわち無担保ローンやキャッシングを利用するときに、消費者金融専門会社等のクレジット会社から直接融資を受ける形態である。
ローン返済は、当然、融資を受けた会社に対して行なう。
最近では、ある一定の限度額までなら自由に何回でも融資を受けられる融資専用のカードも増えているが、これらは、「カードローン」あるいは「ローンカード」という。
すでに述べたように、クレジット&カード業界では、@からEまでの形態を総称して販売信用、Fを消費者金融と呼んでいる。
クレジットの関連業界が多様な理由
クレジット&カード業界に関連する業界は、たとえばクレジットならびにクレジットカードの業務を営む業者だけをとっても、@百貨店、A量販店、B通信販売会社、C訪問販売会社、Dサービス・小売業者等、E電器専門店、F自動車ディーラー、G電機メーカー系クレジット会社、H自動車メーカー系販売金融会社、I流通系クレジット会社、J信販会社、K中小小売商団体、L信用保証会社、M個品割賦購入あっせん業者、N銀行系クレジットカード会社、O石油元売会社、P民間金融機関、Q消費者金融会社、R郵便局の19業態がある。
この他にも、提携加盟店、提携企業、個人信用情報機関、生命保険会社、損害保険会社、コンピュータメーカー、システム・ソフト関連会社、印刷会社、セキュリティ業者、旅行代理店、データ通信会社、電話会社など、関連する業界は非常に幅広い。
これは、クレジット業界と連携を組むことで、利用代金の立替えや決済をはじめ、さまざまな金融商品とサービスを幅広く提供していくことをめざしているからである。
このように多くの業界と相互に手を組むことができる点が、クレジット業界の最大の特徴なのである。
クレジット業界の業態別ランキング
前項で述べた、クレジット業務を提供している代表的な18業態(郵便局を除く)のうち、90年代までナンバーワンの地位を保っていた信販会社を抜き、2000年から取扱高トップとなったのは、銀行系クレジット会社である。
また、99年からは、民間金融機関と流通系クレジット会社、百貨店とサービス小売業者、自動車メーカー系と中小小売商団体の順位が入れ替わっている。
それぞれの業態が、それぞれの状況に応じて、クレジットの分割払いや一括払い、カードショッピングやカードキャッシング、消費者ローンなどを提供しているが、業界全体の成長を支えているクレジットカード(ショッピングとキャッシング)の伸びが、最近のランキングにも反映されているようである。
わたしたちは、入学や結婚、自動車購入や住宅取得といったあらゆるライフステージ、あるいはスーパーやコンビニでの日々の買い物やインターネット上での決済において、何らかのクレジット商品の恩恵にあずかっている。
いまやクレジットは、現金に代わる決済手段の一つとして社会に根づいているのである。
企業別の取扱高ランキング
・銀行系の一位はJCBグループ
主な銀行系クレジット会社、とくにFC(フランチャイズ)やBC(ブラザーカンパニー)のグループ企業全体の取扱高を合計して比較すると、1位はUFJ銀行系列のJCBグループ(5兆1790億円)である。
以下、2位が三井住友銀行系列のVISAジャパングループ(4兆6395億円)、3位がみずほ銀行系列のUCグループ(2兆3795億円)、4位が東京三菱銀行系列のDCグループ(2兆1228億円)、5位がUFJカードグループ(1兆5216億円)となっている。
これを企業単体でみると、三井住友カード(3兆335億円)が群を抜いている。
グラフはデータを公表していない会社(JCB、UFlカード、アメリカンエキスプレス、シティーコープダイナースカード等)を除いたものだが、三井住友カードとUCカード、DCカードが銀行系クレジット会社の雄といえる。
とくに三井住友カードは、VISAジャパングループ全体の約3分の2に相当する取扱高であり、UCカードグループの取扱高を超えている。
・無視できない信販系クレジット会社の底力
信販系クレジット会社の比較では、日本信販(3兆3326億円)が1位で、その不動の地位をキープしている。
2位はオリコ(2兆5591億円)だが、取扱高は銀行系トップの三井住友カードや流通系トップのクレディセゾン(2兆9698億円)に肉薄している。
3位のクオーク(2兆1506億円)、4位のジャックス(2兆882億円)、5位のセントラルファイナンス(1兆9792億円)にしても、銀行系2位のUCカードを上回っている。
銀行系クレジット会社に比べて認知度が低い信販系クレジット会社ではあるが、全国規模の営業ネットワークとフットワークを活かした営業展開で、サービス競争の時代を牽引しているといえるだろう。
・提携カードで伸びる流通系
流通系クレジット会社のトップを走るのは、クレディセゾン(2兆9698億円)である。
これに、OMCカード(1兆5154億円)、イオンクレジットサービス(1兆2909億円)、ポケットカード(3224億円)が続く。
いずれの企業も、流通の現場に近いというメリットを活かしながら、人の集まる複合商業施設やショッピングセンター、スーパーなどとの提携カードを中心に、取扱高を伸ばしている。
・イメージ戦略で顧客獲得を狙う消費者金融系
消費者金融系では、1位の武富士(1兆6756億円)をはじめ、アコム(1兆6529億円)、アイフル(1兆4133億円)、プロミス(1兆3757億円)と、イメージ戦略に成功している企業がランキングされている。
・全体トップは日本信販
企業単体の取扱高をクレジット業界全体でみてみると、トップは総合力に優る日本信販である。
以下、2位が三井住友カード、3位がクレディセゾン、4位がオリコと続く。
