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【第10回】アラサープチオタク男子 圭佑 最終回

自分の夢

結婚相談所に入会して、あっと言う間に1年が過ぎた。

年々、年が経つのが早いような気がしていたけれど、この1年は、とくに早く感じた。

今までは「この1年、自分は何をやっていたのだろう……」という、ぼんやりとした感じで過ぎた1年だったが、今年は「いろいろあり過ぎて、もう思い出せない!」という感覚だ。

特にこれと言った目標がなく、なんとなく生きていた自分が、「結婚」という目標を掲げて過ごしたのだ。

「充実した1年」というと、少しカッコ良過ぎるかもしれないけれど、今までの自分を振り返ると、まさにその言葉がピッタリと当てはまる。

別に立派な事を言うつもりはないけれど、「目標」って大事なんだなぁ~と今更ながらに思った。「夢はワールドカップで優勝」と言って、ビッグマウスと叩かれた本田圭佑も、そのことを分かっていたんじゃないかな。

まぁ、「結婚」と「ワールドカップ優勝」を一緒にするなよ!と言う人もいるだろうけれど、夢は人それぞれ。小さくても大きくても、自分の夢を持ちたい。もう、「同じ圭佑なのに……」と自分と本田を比べることはないだろう。

空間

自分の夢をキチンと持っている「前向き女性」と3回ほど会い、違和感を感じたことで、「自己否定的な女性」の思いやりに気が付いた自分。

別に「前向き女性」がダメだったというワケではない。

彼女のお陰で痩せられたし、メガネからコンタクトにするなど、以前のオタク男子だった自分からは想像も出来ないような行動を起こすことが出来た。

前向きな考え方は、周りの人も前向きにしてしまう、スゴイ力がある事も知る事が出来た。

それだけで、彼女に出会えたことは、もう、感謝の言葉しかない。

ただ、自分は「のんびり」とした性格ゆえに、彼女の「夢は自分で掴む!」「あなたも頑張りなさいよ!」というアグレッシブさに付いて行くことが出来なかったのだ。

「類は友を呼ぶ」なんて言われて、自分の周りにはオタク仲間しかいなかったけれど、それは悪い事じゃないと思う。自分が心地良いと思える人付き合いや空間があるのだ。

そう思うと、最初こそ緊張はしたが、「自己否定的な女性」は同じ考え方で(あまり前向きではないけれど)気が楽だったような気がする。

楽と言ってしまうと、少し失礼かもしれないし、向上心の無い付き合いのような気もしてしまうが、自分の理想とする結婚観は「ほのぼの」「落ち着ける場所」なのだ。そんな空間を、彼女となら築いて行けそうな気がしたのだ。

居心地

「前向き女性」とではなく「自己否定的な女性」に会いたいと言うことを告げた自分に、コンシェルジュは「良い選択だと思いますよ!」と言ってくれた。

最初は、ただただ自分の考えに同意してくれたことが嬉しかったのだが。

1年間みっちりと付き合って来たコンシェルジュが「良い」と言うだけあって、「自己否定的な女性」との関係はどんどん発展したのだった。

4回目以降は、お互いに直接連絡をやり取りし、毎週末のように会うことになった。

話す機会が多くなって気が付いた事は、自分の事を否定的に言う割りには、人の事に関してはビックリするくらい前向きだと言うこと。

例えば、せっかく痩せたのに、また少しずつ体重が戻りかけている自分に、「全然太くないですから!」「お願いだから、私より体重が軽いなんてことにならないで下さいよ!」と言った感じ……。

もう、こうなって来ると、「自己否定的」と言うより、こういう人なのだろう。

「もっと前向きに!」とか、「自分に自信を持って!」とか言う人もいるだろうけれど、このなんとも奥ゆかしいと言うか、控えめな感じが、どうも自分にはしっくり来るようだ。

そんなこともあってか、「自分がしっかりしないと!」と思うことが増え、「どうしよう、どうしよう」などと、1年前にはオロオロしていた自分が、次に会う予定や店選びなどを、自主的にテキパキと決められるようになった。

こんな自分でもやっぱり「男」なので、女性をリードしたいと思う気持ちはあるのだ。女性も女性で、男性にリードされたいと思っているせいか、こういったお互いのポジションが決まってくると、さらに居心地が良くなった気がした。

「彼女いない歴=年齢」だった自分は、電話番号を聞いて、オシャレなお店に誘って、ステキなプレゼントを渡して、イケメンになって、高給取りになって。

などといろんな難関を乗り越えて、やっと「彼女」が出来るものだと思っていたが、こんなにも自然な流れで出来るもんなんだぁ……と不思議だった。

告白

コンシェルジュにそのことを伝えると、「そうなんですよ!」「結婚を、すごく特別なものと考えている方が多いんですよ……」

「生活の一部なんですけどね」「で、いつ、その新しい生活を始めるんですか?」と言われた。

「はぁ?」と聞き返した自分に、「やれやれ……」という顔のコンシェルジュ。

「女性側のコンシェルジュは、違う男性も勧めているようですよ」

「彼女には、数人の男性から、コンタクトの依頼があるようですから」と言われて血の気が引いた。

結婚相談所に入会していると言うことは、そういうことだ。

週末、彼女に会った時に、まずは「付き合って下さい」と自分の気持ちを伝えなければ!それでダメだったら、また振り出しか……。

そう思うと怖くなってきた。「このままの状態が続けばいいなぁ~」と本気で思ったりもしたが、「ダメなら早めにフラれたほうが良い!」とも思ったり……。本当に眠れない日が続いた。

そんな思いで彼女と会ったものだから、沈黙が続いてしまったり、いつもより挙動不審だったのだろう、彼女に「なんか、すいません……」と謝られて驚いた。

「わたしと居ても、つまらないのかなと思って……」と、また自己否定的な事を言いだした彼女に、「いや、楽しいです!」

「いや、楽しいのとは、ちょっと違うんですけど……」「居心地が良いと言う感じで……」「ずっと居れたらと思っているんですが……」と我ながらカッコ悪い、グダグダの告白をしたのだった。

言っていることが自分でも分からないのに、彼女が分かるワケもないだろう。しかし彼女は「はい!!!!」と勢い良く、大声で返事をしたのだった。

コンシェルジュ

世の中って、本当によく分からない……。デブでメガネで、稼ぎが悪い自分の彼女に、どうしてなってくれたのか、今でも分からない。

彼女もコンシェルジュも、揃って自分の事を「まじめ」だと言う。

まじめと言うより、遊ぶほどモテなくて、金もなかったのだから、仕方がないだけの事なんだけれど……。

何が良い方向に転じるかなんて、分からないのが人生だ。

これまで、婚活をして来た記録を書いたが、気が付けば彼女よりコンシェルジュの話ばかりになってしまった。

しかし、これが本当の事だ。常にコンシェルジュが身近に居て、いろいろと助けてもらいながら、ここまで来たのだ。

「誰かの世話にならないと、結婚相手も見つけられないのか!」とバカにする奴もいるだろう。でも、それで良い。

誰かの世話になりながら、これからも生きて行くのだ。そして、いつか誰かの、何かの手助けが出来る自分になる事が出来ればと思う。

こんな、ちっぽけな婚活記録でも、誰かの背中を押すことが出来たなら……。まぁ、優秀なコンシェルジュのようにとは、いかないけれど。