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【第9回】アラサープチオタク男子 圭佑 人生の選択

1年

気が付けば、結婚相談所に入会してから、もうすぐで1年が過ぎようとしていた。早いものだ……。

こんな感じで、あっと言う間に40歳になっているんだろう。10年後の自分は、いったいどうなっているのだろうか。

結婚して、子供がいて、夢のマイホームを手に入れて、忙しいながらも幸せな人生を送ることが出来ているのだろうか。不安だ……。

「年齢=彼女いない歴」の自分が、1年以内の結婚を目指して婚活をして来たが、もうすぐ、その1年が来る。

出会いがなかったワケではない。女性と2人で食事にすら行った事のなかった自分が、何度も、いろんな女性とお茶をしては、いろんな話しをした。

しかし、もう一皮剥けないと、もう1歩前進しないといけないような気がしていた。

サッカーの試合だと、ようやくメンバーに選ばれるようになったけれど、それで喜んでいてはいけない。

ゴールを決めて、試合に勝たなくてはいけないのだ。そういえば、アジアカップ優勝に向けて、日本代表は初戦を黒星で飾っていたなぁ。

本田圭祐も、ゴールを挙げていた。自分は人生のゴールを決める事が出来るのだろうか……。

反感

そんな焦りと不安を感じながらも、コンシェルジュと話し合いながら婚活に励んでいたのだが、セカンドコンタクトで出会った女性の今後の対応について、意見が割れてしまった。

割れたと言うよりは、コンシェルジュがその女性との今後に、積極的ではないような態度だったのだ。

確かに彼女は、後ろ向きで、自己否定的な発言が多いけれど……、でも、それは彼女の本心ではないような気がする。

だって、誰だって本当は幸せになりたいじゃないか!

デブで、メガネで、安月給の自分ですら、「幸せになりたい!!」と思っているのだから……。

そんなこともあり、「自分を愛せない人は幸せにはなれません」と言い放ち、

「もっと前向きで、将来の夢がハッキリしている女性とコンタクトしてみましょう!」と、違う女性を勧めて来たコンシェルジュに、反感を抱いてしまったのだ。

積み上げて来た信頼関係を失う覚悟で、このモヤモヤする気持ちをぶつけてみたところ、以外にもコンシェルジュの対応は上機嫌だった。

「圭祐さんが、そんな風に主張するなんて~」「すぐに、コンタクトの依頼をしますね~」とウキウキしていた。

……モヤモヤして、思い悩んだ時間を返してくれ……。

前向き

自己否定的な女性と3回目のコンタクトもするが、将来の夢がハッキリしている女性ともコンタクトをするように強く勧められた。

そのことに関しては、別段問題はなかったので、コンシェルジュの意見に賛成した。

その後、すぐにコンシェルジュが選んだ、「前向き女性」との初コンタクトをすることになった。

目鼻立ちがハッキリし、服装もとてもオシャレだった。

笑顔が印象的な彼女は、ヨガのインストラクターをしており、将来は自分でヨガ教室を開き、体に優しい自然食を提供出来るような店を持ちたいのだそうだ。

「夢がある人ってスゴイなぁ……」と、ただただ感心した。

コンシェルジュにそのことを伝えると、「前向きな人と接することで、自分も前向きになれるんですよね~」「お互いに成長し合える関係って、ステキだと思いませんか?」と言われた。

まさしく、そう思った。そして、自分の後ろ向きな発言が、周囲の人間を不快にさせていたのかもしれないと感じたのだった。

ヨガ教室を目指している彼女は、「コンタクトにしてみてよ!」や、「食生活を少し変えるだけで、スグに痩せるから!」などと、自分にも、これまた前向きな提案をしてくれたのだった。

「そうですかね……」とあいまいな返答をしつつも、恥ずかしながら、やる気満々になってしまうのだから、些細な他人の一言ってバカにできない。

その後も、すぐに「前向き女性」とは2回目のコンタクトが決まり、会うことになった。

「せっかく2回目も会ってくれるんだし!」「成長した姿を見せたい!!」と思って、前回、彼女が提案してくれた事を実践してみることにした。

メガネをコンタクトに。間食、夜食は中止に。

「ブサイクがコンタクトにしたところで……」「おやつを止めただけで痩せたら、こんなにダイエット本が売れたりしないって……」と思いながらも、

「まぁ、やるだけやってみるか」「コンタクトも買ってあるし」というノリでやってみた。

最近は体重計に乗った記憶がなかったのだが、乗ると体重が減っているので嬉しくなり、毎日乗るようになった。

そうすると、今度は体重を減らしたくなって、朝ご飯を食べなかったり、昼食を抜いたりするようになった。

そうして挑んだ2回目のコンタクト。自分を見るなり、「ほら、やっぱりコンタクトが良いに決まってる!」「私が言った通り、すぐに痩せたでしょ!!」と、とても喜んでくれた。

自分の事を、こんなにも喜んでくれた人なんて、今までにいただろうか……。

後向き

そのことをコンシェルジュに話すと、「なんか、変わりましたね……」と言われた。それが嬉しくて、もっとダイエットに励んだ。

そんな時、3回目のコンタクトをお願いしていた「自己否定的な女性」と会うことになった。

「変わった自分を見て、きっと驚くに違いない!」とワクワクした気持ちでいた。

待ち合わせ場所に来た自分を見て、やはり驚いた顔の女性。「いや~、少しダイエットを始めて……」とひかえめに、でもちょっと自慢げに言ってみた。

「スゴイです!」と褒められると思っていたが、「大丈夫ですか?なんか、急過ぎるような……」と体調を気遣われた……。

コンタクトにしたことも、「どっちも似会いますね~」と、あいまいな返答に、ちょっとがっかりした。いや、かなりガッカリした。

「前向き女性」とは大違いだ……。

選択

そんな中、「前向き女性」との3回目のコンタクトが決まった。トントン拍子に事が進んでいるようで、完全に浮かれていた。

しかし、簡単に10キロ近く落ちた体重は、最近では停滞気味になりイライラしていた。

「前向き女性」から服装のアドバイスもされていたのだが、教えてもらった店は高級ブランドショップで、自分の安月給では無理だし、そもそも似会わないような……。

そして3回目のコンタクト。「前向き女性」は自分の夢を語り、そのために努力して来た事を力説した後、「体重だけど、結果が出ないってことは、自分に甘いんだよ!」

「せっかくアドバイスした服装も、直ってないし!!」と強烈なダメ出しをされた。確かに彼女の言う通りだ。返す言葉もない。

でもハッキリしたことがある。彼女は、痩せた自分の事を喜んでくれたのかもしれない。彼女の思う通りに出来たから、喜んでいたのだ。

そのことが分かると、急に痩せた自分を心配してくれた、「自己否定的な彼女」の顔が浮かんだ。あれは間違いなく、自分の事を想ってくれた言葉だ!!

「「前向き女性」との4回目のコンタクト、どうしましょうか?」「そろそろ直接連絡を取り合って、2人で会う日などを決めますか?」と言ったコンシェルジュに、

「やっぱり、「自己否定的な女性」で、お願いします!」「連絡先を交換したいんです!!」と思わず詰め寄ってしまった。

少しの沈黙の後、「人生は選択の連続です」「良い選択だと思いますよ!」とコンシェルジュが大真面目な顔で、大きく頷いてくれたのだった。それが、なによりも嬉しかった。