タイムリミットに焦る婚活女子のちょっと怖い話
結婚相談所に来る男性に、結婚に対する思いや希望を訪ねると、多くの男性が「良い人がいれば……。
いつかは結婚したいですから……」と答えるのに対し、女性は「35歳までには結婚したいんです!!」などと具体的な返答をする人が多いように感じます。
歳を取ると、男性は年収が上がったり、精神的な余裕が生まれたりする反面、女性は老化や出産のタイムリミットに追われてしまうということが影響しているからかもしれません。
最近では「結婚はしたくないけれど子供は欲しい!」などと平気で言う婚活女子もたくさんいるというのだから、男性が頼りないのか……
女性がたくまし過ぎるのか……なんとも言い難い時代になりました。今回は、そんなタイムリミットに焦る婚活女性が起こした、ちょっと怖い話を紹介します。
医者の診断書
結婚相手に対する条件を箇条書きにして、結婚相談所を訪れたA子さん(38歳)は、「とにかく40歳までに出産したい!」と強く希望していました。
学歴も高く、キャリアウーマンのA子さんが提示した男性の条件は、なかなかのものでしたが、数人紹介することが出来ました。
しかし、最初は乗り気だった男性が、ことごとくA子さんのことを断ってしまうのです。
不思議に感じ、男性に詳しく話を聞いてみると、「ちゃんと子供が作れるかどうか検査を受けて、医者の診断書を提示して欲しい」と言われたのだそうです。
それには私も驚き、A子さんに事情を聞くと、「結婚してから、子供が作れないと知らされても困るでしょ?」と当然のことのように言うのでした。
その上、「出産後は単身赴任で、運良く県外にでも行ってくれたら最高なんだけど……」と、とてつもない考えを持っていることをカミングアウト。
だから「転勤族」「単身赴任OK」という条件にこだわっていたんだと思うと、背筋がゾッとしたのでした。
タイムリミット
ひと昔前までは、男性側の母親が「跡取りを産んでもらわないと困るから!」
などといった理由から、結婚相手の女性に、「ちゃんと妊娠できる身体なのか」、「病歴はないか」などを証明させるために医師の診断書を持って来させる話は聞いたことがありましたが、よもや、ここでも男女が逆転してしまっているとは夢にも思いませんでした。
晩婚化が進むと同時に、高齢出産も増加傾向にあるようで、2013年における全国の統計を見ると、40代の出産数は約5万件と、1980年代と比較してみると、なんと6.6倍にもなるそうです。
どんなに医学が発達しているとはいえ、高齢出産にともなうリスクは、母子ともに高くなってしまうのは、しかたのない事実のようです。
このような、いわゆる「タイムリミット」に不安を感じている女性は多くいるようで、A子さんのような行動まではしなくとも、冒頭で述べたように「結婚はしたくないけれど子供は欲しい!」という考えを持ってしまう、ひとつの大きな要因になっているようです。
子育てと介護
厚生労働省の調べによると平成23年度の全国母子世帯は123.8万世帯もあり、5年間で約28.3%も増加傾向にあるそうです。
母子家庭となった理由は「離婚」が最も多く80%を占めているそうです。
母子家庭の生活状況を調査したところ、一般家庭のおよそ4割の収入で生活をやり繰りしていることが分かり、73%が暮らし向きを「大変苦しい」「やや苦しい」と回答しているそうです。
タイムリミットが迫って来ているので、「とりあえず子供を!」と焦る気持ちは分からなくもないですが、安易に「未婚の母」や「シングルマザー」を選択するのは、とても浅はかな考え方です。
最近では「離婚しても良いから、とりあえず孫の顔を見せて欲しい」「離婚後は一緒に暮したら良い」と言う親御さんも多くいると聞きますが、「子育て」と「親の介護」が全て、あなたの肩に重くのしかかることを忘れてはいけないのです。